Porto

流体工学研究室

研究室概要

自動車や航空機など、乗り物まわりの流れは、速度が増加すると、整った「層流」から、乱れた「乱流」の状態に遷移し、一般に、空気抵抗や騒音が大きくなり、性能が悪くなります。中には、その逆の例もあり、乱流の流れは、未解明な問題が多く残されています。本研究室では、乗り物の空力性能向上のため、層流-乱流遷移の解明と、流れの制御方法について研究を行っています。

主な研究テーマ

  • 層流-乱流遷移の解明と制御
  • 渦の変形-崩壊過程の調査
  • 二次元物体伴流の渦の三次元化
  • 渦輪を用いた物質の輸送
  • 鈍頭物体の空気抵抗の低減

研究詳細/イメージ

1)列車の実車走行試験

速度300km/hで走行する新幹線の後方の流れを、発煙筒の煙で観察し、最後尾車両の横揺れの原因を調査しました。写真はヘリコプターから撮影したものです。列車後方から渦(白い煙の塊)が、次々に放出される様子が観察できます。

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2)ゲッチンゲン型 低速風洞装置

最大風速は、55m/s(約200km/h)で、全国の大学の中でも、大型の風洞装置です。この他にも、風洞を一機と、水槽実験装置を三機保有し、研究に使用しています。

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3)鈍頭物体に働く空気抵抗の低減

下図は、一様流中に置かれた角柱まわりと、その後方の流れを煙で可視化した流れ模様です。白煙の現れている部分は、流れが角柱に沿って流れていない、剥離した領域を表しています。この領域が大きい程、抵抗が大きくなります。左図の角柱に対して、右図の先頭角部に“切り欠き”を設けた角柱は、剥離領域が小さく、空気抵抗が低減されたことが分かります。この様に、僅かな工夫で流れを制御することで、流れの様子を大きく変化させ、抵抗を低減させることが出来ます。

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4)物体伴流の研究(円柱伴流内のカルマン渦列)

下図の上段の流れ模様は、円柱伴流(後流)に形成されたカルマン渦列を、色素で可視化したものです。円柱の両側から、交互に渦が放出されています。下段の図は、粒子画像流速測定法(PIV)によって速度を計測し、速度から渦度(渦の強さ)を算出した結果です。図中の矢印が速度を、色が渦度(赤:時計方向の回転、青:反時計方向の回転)を示しています。乗り物など、物体の後方には、多くの場合、渦が形成され、その結果、振動や抵抗が増加します。

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5)回転環状水槽内の渦構造

下図の左側は、一定速度で回転している環状形水槽内の流れ模様です。水槽の中心側は冷却、外側は加熱されています。水槽内には、渦を伴った蛇行流が観察出来ます。この実験は、地球の中緯度大気の流れを模擬しており、スケールこそ全く違いますが、実際の大気中にも、非常に良く似た流れが生じています。右側の図は、水槽内の速度を測定し、渦の構造を調査した結果です。矢印は速度ベクトル、色は渦の強さ(赤:時計方向の回転の強さ)を表しています。

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